
交通事故における示談交渉は、被害者にとって公正な賠償を得るための重要なものですが、しばしば保険会社との間でトラブルが発生します。
保険会社の提案する示談金額や過失割合、治療費の支払いなど、多くの障壁が立ちはだかります。
今記事では、示談交渉でよく発生するトラブルと、それらを避けるための適切な対処法を詳しく解説します。
交通事故の示談交渉とその流れ
示談交渉は、裁判外での損害賠償金額についての話し合いであり、交通事故の場合、加害者側は任意保険会社の担当者が、被害者側は被害者自身または代理の弁護士が交渉を行います。
被害者側の過失がない場合、自らの保険会社では交渉を行わないため、直接または弁護士を通じて行うことが一般的です。
示談交渉でよくあるトラブルとその原因
示談金額の不一致
示談金額は交渉で最も争われるポイントで、保険会社の算出基準と弁護士基準では大きく異なり、半分から三分の一程度の低い額が提示されることが一因です。
この金額に納得できない被害者は、弁護士基準での増額を求めるため交渉が難航します。
過失割合の決定
過失割合の合意によく争いが生じます。
事故の状況を示す証拠が不足している場合や、事故に関する個々の状況が過失割合に大きく影響するためです。
これにより、事故の詳細や個別事情の解釈に違いが生じ、争いが起こりやすくなります。
治療費の打ち切り
治療費の打ち切りは、保険会社が自社の支出を減らすためや保険金詐欺を防ぐ目的で行われることがあります。
治療が必要であるにも関わらず打ち切られた場合、被害者は独自に健康保険等を用いて治療を継続する必要があります。
示談成立後の後遺障害発覚
示談が成立した後に新たな損害が発覚することもあり、特に後遺障害が後から判明した場合、再交渉や追加の賠償請求が困難になります。
事前に留保条項を示談書に設けることで、未発覚の損害に対応できる準備をしておきましょう。
保険会社の不適切な対応
示談交渉中に保険会社から高圧的な態度を取られ、専門用語を多用されて理解しづらい状況が生じることもあります。
このような状況での交渉は被害者に大きなストレスを与えるため、弁護士に交渉を一任することをおすすめします。
保険会社との交通事故示談交渉での注意点と交渉術
承諾前に内容の確認を徹底する
示談案が提出された際は、その内容を詳細に確認し、すぐに承諾しないことが重要です。
示談が成立すると、後から条件を変更するのは困難です。
提示された条件が不十分な場合は、承諾せず、必要に応じて弁護士に相談しましょう。
相手方からの質問に対しては、即座に回答する必要はなく、「後日回答します」と回答を保留することで、適切な対応を行うことができます。
示談金の相場を事前に調査
適切な示談金の額を知ることは、交渉において自分の立場を守るために不可欠です。
事前に示談金の相場を調べ、具体的な金額として「○万円の増額が適切」という形で主張を準備することが、交渉を有利に進めるために重要です。
冷静な対応を心掛ける
示談交渉では、相手方保険会社の対応に不満を感じることもあるかもしれませんが、感情的になることは避けるべきです。
冷静かつ客観的に交渉を進めるためには、不明点は明確に質問し、提示された内容の根拠を求め、合理的な理由で主張を行うことが大切です。
示談内容は書面で残す
交渉は口頭だけでなく、書面(FAXやメールなど)を用いて行うことが望ましいです。
書面によるやり取りは、「言った・言わない」のトラブルを避けることができ、示談の内容を明確に記録することができます。
示談交渉を書面で行う場合は、送信前に内容を確認し、すべての要件が適切に記載されているかを確かめることが重要です。
まとめ

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まだ相談内容がまとまっていない方や、「そもそも弁護士に相談するべきかどうか」を迷っている方でも問題ありません。
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