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- 弁護士インタビュー
「困っている人が見過ごされている」という実情を変えたい
弁護士になられた動機はどのようなものでしたか?
最初は中学生のときに、ドラマ『赤かぶ検事』を観たことでしたね。そのときは、情に厚い主人公が正義を貫き人を助ける姿に憧れたものです。その後、現実でも大きな不正事件が起こり、そのニュースを観ながら不正や不正義と一生懸命闘う人たちの姿を観て、より正義というものへの関心が強まりました。
その後法学部へ進み、さらに勉強を重ねて司法試験に合格しました。試験合格後は司法修習生として様々な事件解決を手伝ったり、現役の弁護士さんについてトラブルが起こっている現地へ赴いたりする機会があります。そんな経験を重ねる中で、段々、「人権侵害を受けながら取り残されている人たちがいる」「理不尽な目にあいながら、方法がなく我慢を強いられている人たちがいる」という事実を強く意識するようになりました。
そして、困っている人たちと最も近い目線で、直接話をして寄り添って解決の手助けができるという理由で、司法修習終了後は弁護士の道を選びました。
「何とかしてあげたい」という想いを原動力に、
結果的に幅広くやってきた
かなり幅広い分野に対応していらっしゃいますね。
「困っている人がいるならそれを何とかしたい」というのが根本にあるんですね。だから、弁護士になってからも研修をたくさん受けて知識をつけたり、専門家の方々に話を聴いたりして研鑽を積んできました。その結果として、対応できる分野が広くなっていきました。それは今も変わりません。新しくご相談を受けたり、「最近はこういったことで困っている人が多いらしい」という情報を聞けば、やはり、「どうすれば力になれるだろう」と考えますし、そのために勉強もしますね。
集団訴訟に力を入れられるきっかけを教えていただけますか?
集団訴訟については、嘉手納爆音訴訟弁護団・B型肝炎訴訟大阪弁護団・原発賠償関西訴訟弁護団などいろいろとやっていて、それぞれに特徴はあるのですが、共通していえるのはやはり、被害の規模がすごいということです。一人ひとりの人生がかかっているような重大な被害が、しかも何千、何万と出ている。なのに、それらが見過ごされてしまっている。
訴訟にかかわるきっかけとしては、弁護士会の委員長から募集があったり、青法協(青年法律家協会)という団体が窓口となっていたりと様々です。
そのような流れでかかわるようになって、現地や被害の様子を目の当たりにしてしまうとやはり見過ごせないですよね。被害にあわれた方一人ひとりにきちんと賠償を受けてもらって、人生を回復していただけるようこれからもやっていきます。
近年力を入れられている分野はありますか?
先ほどお話した集団訴訟とは違いますが、最近ではいわゆる大麻や覚せい剤などの薬物問題にも取り組んでいます。弁護士向けに講演をしたこともありました。
薬物の使用は、多くは依存症となっている可能性が高いです。依存症という病気は、完治する処方薬はなく、1人で対処することも困難であり、何度でも最初してしまいます。薬物の場合、法律で使用・所持が禁止されているものが多いので、再使用の場合には、刑罰というリスクがありますので、再使用を放置することもできません。ダルク(薬物依存当事者のための施設)によるミーティングプログラムは再使用帽子の効果が顕著にでており、多くの方が利用している実績もあります。ダルクのスタッフや関係者と連携しながら、裁判の前後を通じて、再使用防止のための、薬物依存からの回復のためのお手伝いをしております。
薬物依存の問題は当事者だけではなく家族にも大きな影響を及ぼすことが多いです。家族関係が悪化していたり、家族が知らぬ間に当事者の使用を助長したりしていることさえあります。家族への支援も必要であり、薬物依存に悩んでいる家族を行なっているFREEDOM(フリーダム)があります。そのスタッフや関係者と連携しながら家族視点も行っています。
お気軽に、お早めにご相談ください
最後に、お悩みやトラブルを抱えていらっしゃる方へメッセージをお願します。
「役に立ちたい」という気持ちでお待ちしているので、問題の大小にかかわらず、ぜひ気軽に、早めにご相談いただければと思います。
相談内容がまとまっていなかったり、準備ができていなかったりしても構いません。まずは「今、困っていること」「不安に思っていること」をありのままお話しいただければ、そこから問題点を整理して、必要なアドバイスをさせていただきます。
今は情報社会なので、ネットなどを使えば、ご自身で解決策を調べることもできるとは思います。ただ、そこで誤った情報を基にしてしまったり、やり方を誤った結果、より状況が悪化したり複雑化するケースも少なくありません。また、法律の手続きには期限やルールが詳細に決まっているものもあり、その点でも注意が必要です。
きちんとお話を伺ったからこそできるアドバイスもあります。より良い結果に繋げるためにも、お困りのことがあれば、ぜひお早めにご相談ください。