
多くの人が誤解しているのは、離婚が成立した後には何もできないということですが、実は離婚後も慰謝料を請求することは可能です。
今記事では、離婚後に慰謝料を請求できる条件、それができない場合、そして請求方法について詳しく解説します。
離婚後でも慰謝料を請求できる条件
離婚の原因が慰謝料請求の根拠になる場合
離婚慰謝料を請求するためには、離婚原因が慰謝料請求可能な理由である必要があります。これには以下のような事由が含まれます。
・浮気や不倫といった不貞行為
・DV(家庭内暴力)やモラルハラスメント
・家族を放棄する行為や経済的支援を拒否する行為
・その他、婚姻を維持することが困難な重大な理由(例えばセックスレス)
ただし、「性格の不一致」のようにどちらにも明確な責任がない場合は、慰謝料請求は認められない可能性が高いです。
離婚時に金銭的な取り決めがなされていないこと
慰謝料を離婚後に請求するための二つ目の条件は、離婚時に金銭に関する具体的な取り決めをしていないことです。
具体的には、離婚協議書において、将来にわたって互いに金銭的な請求をしないという清算条項が含まれていない場合を指します。
このような条項がある場合、慰謝料を含む損害賠償や財産分与の請求が事実上不可能になることがあります。
慰謝料請求権の時効がまだ成立していないこと
離婚に関連する慰謝料請求権の時効は、離婚が成立した日から3年と定められています。
この期間内であれば慰謝料の請求が可能です。
ただし、この期間内に慰謝料に関する内容証明郵便を送るなどして請求行為を行えば、時効が中断されることがあります。
また、相手が慰謝料の支払いを書面で認めた場合、その認めた日から時効が再開されます。
離婚後に慰謝料請求できないケース
慰謝料の請求を放棄している場合
離婚時に双方が慰謝料の請求をしないと合意しており、その約束が書面に記載されている場合、後になって慰謝料を請求することはできません。
このような合意は法的な拘束力を持ち、契約違反となるため、後からの慰謝料請求は認められないことが一般的です。
不貞や暴力の証拠が不足している場合
モラルハラスメント、浮気、暴力などの離婚原因に対して慰謝料を請求するには、これらを裏付ける確固たる証拠が必要です。
証拠が不十分な場合、裁判所によって相手方の過失を立証することが困難となり、慰謝料の請求は認められません。
重要な証拠には、通信記録、医療記録、第三者の証言などが含まれます。
離婚の原因が相手に非がない場合
離婚原因が相手方に責任がないと判断される場合、例えば性格の不一致や価値観の相違のように、双方に一定の責任があると見なされる場合、慰謝料の請求は認められません。
慰謝料の請求は通常、相手方に明確な過失が認められる場合にのみ可能です。
離婚後に慰謝料を請求する方法
証拠の収集
慰謝料請求の際、最も重要なのは証拠を確保することです。
証拠があると、相手が慰謝料の支払いに応じやすくなるだけでなく、訴訟に発展した場合に裁判官を説得するためにも不可欠です。
相手が支払いに応じない場合は訴訟を起こすことになりますが、その際も証拠が決定的な役割を果たします。
従って、慰謝料を確実に受け取るためには、関連する証拠を事前に集めておくことが重要です。
慰謝料請求訴訟の提起
元パートナーから適切な対応が得られない場合、慰謝料請求訴訟を起こすことになります。訴訟は相手の居住地を管轄する地方裁判所で行います。
訴訟に際しては、集めた証拠を基に裁判所に申し立てを行い、弁護士に依頼することが一般的です。
可能であれば訴訟前の段階で弁護士と相談し、交渉を行うことをおすすめします。
まとめ

中原修法律事務所では、「お役に立ちたい」という想いで、ご相談者様をお迎えしております。
まだ相談内容がまとまっていない方や、「そもそも弁護士に相談するべきかどうか」を迷っている方でも問題ありません。
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